2019.05.31writer / ロココスペース

「社員は本当に育ってくれているのだろうか?!」社員育成の疑問

 

どんなに優秀な人材であっても、雇い入れれば社員教育をしなければなりません。ただでさえ売り手市場の今日、求人への応募者数自体が減ってきているため、雇い入れる側としてはやや妥協しなければならない場面もあるでしょう。この結果、より質の高い教育が求められますが、どのように教育すれば良いのでしょうか。

外部から講師を招聘したり、セミナーへ参加したり、E-ラーニングを課したりなどもありますが、大半の企業がOJTによる教育をするだけで満足しがちです。なぜOJTに頼るという選択が間違っているかといえば、それは社員教育のための方法を述べているに過ぎず、教育によって得られる結果が十分に見えていないためです。こうなると、「あの従業員を教育係にしたけど、新入社員がまったく育っていない…。」といった思いや、「いつも何しているんだ?」といった思いに駆られてしまい、正当な評価を受けられない新入社員との双方が不幸になってしまいます。

 

社員教育ができているかどうかを確認する方法

社員教育の疑問を解消するには、教育による目標を明確に定める必要があります。よく数値化して効果を測定したり、テストを課して理解度を確認するなどの方法がいわれていますが、これらはそう簡単に取り組めるものではありません。何を根拠として、どのような点について数値化するのかさえイメージしづらいものであり、テストで確認して得られる情報は “活きた情報” でないため、本当にその人物が有しているスキルを把握できないからです。中途半端に取り組めば、これらは形骸化してしまうだけでなく、従業員のモチベーションを引き下げてしまう要因ともなりかねません。

実は、教育ができているかどうかはもっと簡単な方法でチェックすることができます。それは、担当する業務ごとにスキルチェックシートを作成して活用する方法です。実務において必要となるスキルを列挙するのはそう難しくありません。加えて、そのスキルが身についているかどうか周囲も判断しやすいため、評価も正確なものとなります。業務に直結するスキルの習得ができるので本人のモチベーションの向上につながるだけでなく、教育係にとっても何を教育すればいいのか明確となるのでOJTがより効率的なものとなります。

 

スキルチェックシート活用の重要なポイント

スキルチェックシートの活用は、プラス評価のみで構成できるのも重要なポイントとなります。人材評価にマイナスを取り入れるかどうかは頭を悩ませる点ですが、基本的には取り入れないほうがいいでしょう。その理由は本人のモチベーションに悪影響を及ぼす以外に、評価制度をより複雑なものとしてしまうためです。評価制度が難しくなってしまえば、その判断も曖昧となってしまいがちです。上がるか据え置きかの2択のシンプルなシステムとしておけば、自然と評価の精度も上がりますので、社員それぞれが自分がこれから何をすべきかが見えてきやすいため、より一層の生産性の向上が見込めるようになります。

 

まとめ

上でも触れているように、OJTは教育ではなく「教育の手段の一つ」であり、OJTを通じて何を得なければならないのか?と本人に目標を持たせることが大事です。そして、それを達成できているかどうか、客観的かつ公平な評価も必要となります。ご紹介したスキルチェックシートのように双方を叶えられる工夫に取り組めば、これまでのように社員の教育について頭を悩ませることもなくなるでしょう。まずは職務遂行に必要なスキルの書き出しから始めてみてはいかがでしょうか。