2019.01.25writer / ロココスペース

「社員皆が主役」本当に必要な、組織内の意識改革とは?

 

「社員数が多い訳でもないのに、一丸となって進んでいる感じがしない」
「どうやったら、まとまりのあるチームや組織に出来るのだろう」

あなたも、このような悩みを持たれた事はありますでしょうか?

チームも会社も多様な個人が集まっている場所なので、当然、様々な認識や感情が生まれるものです。だからと言って「仕方がない」と諦めたり放置するのは問題の解決になりませんし、社内だけの問題ではなくお客様への影響も出かねません。

会社の経営理念を繰り返し伝えていくことも大切ですが、まずは正規であれパート社員であれ、働く一人ひとりの意識を変えていくことが大切です。

そこで今回は、組織内の意識改革に着目して取り上げてみたいと思います。

組織内の意識改革 インターナルマーケティングとは?

組織内の意識改革を行う、インターナル・マーケティングというものがあります。
簡単に言うと組織内に向けて行うマーケティングの事ですが、マーケティングという言葉を聞くと、社外の顧客や市場に向けて行うものと言うイメージが強いかも知れません。

一般的にインターナル・マーケティングは「給与や福利厚生・仕事に対するモチベーションなど社員の満足度を調査するもの」と言われているのですが……この言葉だけを鵜呑みにすると従業員満足度を上げることだけに注力してしまいがちです。

社員が高い満足度を持つことで会社に対してロイヤリティーを感じ

より質の高いサービスを展開したり良い製品の開発が行われる

結果、顧客に還元することになり会社全体の評判が上がる

ではとにかく社員の満足度を上げれば社員が幸せになって顧客満足に繋がるのか?

という事ですね。

毎日楽する環境でも社員は幸せになれない?

もちろん、給与や福利厚生を見直すことや、仕事に対するモチベーションを持てるように仕組みや環境を整える事は大切だと思います。社員が会社に対してどのように感じているのか、満足度を調査するインターナル・マーケティングは見直しに役立つことでしょう。

しかし…社員に毎日楽な環境で働いてもらい、毎日ご馳走が食べられる素敵な社員食堂をつくって、モチベーションを持てるようになるべく希望を聞き入れる体制にすれば、社員はバリバリ働く!!

……という訳ではありませんね。(苦笑) 少し極端な例えかも知れませんが。

むしろ最初は嬉しいかも知れませんが、慣れてしまうものですし、居心地の良い環境は成長を止める時もあります。

つまり、社員の満足度が上がる事と社員の幸せやヤル気は別物だという事です。

本当に必要な、組織内の意識改革とは?

ちょっと固い言葉になってしまいますが、インターナル・マーケティングについて
コトラーが定義している内容には

インターナル・マーケティングとは、組織内の全員が自社のマーケティング・コンセプトとマーケティング目標を信じ、顧客価値の選択、提供、伝達への積極的に関与するよう仕向けることである。

(出典 : Philip Kotler (著), Kevin Lane Keller (著), 恩藏 直人 (監修), 月谷 真紀 (翻訳)『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』より引用)

とあります。これをかみ砕くと
社員全員が「自分の業務は顧客に価値を与えている」と自覚することが大切だと伝えていることが分かります。

顧客に直接接触のない部署であっても、組織内の全員、つまり社員皆が主役になって一人ひとりの判断や仕事そのものが顧客へ価値を与えていることになると意識すると言うことです。

会社が自分を大切にしてくれることは、社員にとって嬉しいものではありますが
自分の存在が重要であると認識する事の方が、本当の意味で従業員満足なのではないでしょうか。

 

社員一人ひとりが顧客に価値を提供しているという意識を持つことは、組織全体でマーケティング志向になるということです。それは、個々の存在価値が小さな一つ一つのエネルギーとなり、顧客満足に向かって流れる川のように集まっていくイメージです。

一丸となって進む、まとまりあるチームや組織をつくるために、まずは正規であれパート社員であれ、働く一人ひとりが自分の業務が顧客に価値を与えている意識を持つことから始まるのです。