人事評価制度は業績アップに効果があるのか、実感を持てない企業が多いようです。
2017年11月から12月に、東京商工会議所が行ったアンケート調査「中小企業の経営課題に関するアンケート」によると、「生産性向上に向けて取り組んでいること」として上位に
①既存顧客との関係維持・強化
②販路開拓・取引先の拡大
➂人材育成
が上がったにも関わらず、取り組んだ効果があったと感じられていない回答結果が出ています。
(出典:東京商工会議所 中小企業委員会『2018年3月:中小企業の経営課題に関するアンケート調査結果』)
しかし同じ調査にある「生産性向上に向けて取り組む上での阻害要因」には
人材不足・スキル不足(65.8%)が一位に、社員の理解・モチベーション(35.6%)が二位に上がるなど、人材育成の必要性は何かしら感じている状態ではあります。
つまり、本当のところ「やり方が分からない」という経営者が多い現状なのです。
人事評価制度の本来の目的は人材育成と企業の業績向上。
そのために「人材育成」で効果を発揮する人事評価制度を取り入れていくにはどうすれば良いのでしょうか?!
単に成果だけを見る評価方法では、働く意欲の高い一部の社員のみが成長し、組織的に求められる人材育成には繋がらない。個々の社員に応じて目標設定をし、それぞれの能力を引き出す必要があります。
具体的な目標に向かって行動できるようになると、そこから知識や経験を養い成長していけます。
⇒ 従業員の個々に応じた目標設定をする
また、従業員が自分のどの部分が評価されたのか曖昧で分からなかったり、評価者が正当に評価していないと自己評価とのギャップを感じたりする場合。従業員の意欲や行動は停滞しますし、人材の定着率も下がる可能性があります。
人材を育成していくためには、明確な目標達成基準をもつ事と、不公平感のない評価方法が必要です。
⇒ 明確な目標達成基準と 不公平感のない評価方法が必要
目標達成のため、社員のモチベーションアップや維持をしていくためには、適切なタイミングでバックアップしたり、コミュニケーションを取るなどのフォローが必要です。
形だけの面談や報告になってしまっては社員も成長を感じられない上に、面倒だと思うようになります。
⇒ 社員への適切なコミュニケーションとフォローで高いモチベーションを維持する
さらに、人材育成のためには「評価者の実施スキル向上」が重要になります。
これは次回取り上げてみようと思います。