2022.07.28writer / ロココスペース

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「3年目の浮気…」ならぬ「3年目のフォローアップ」

「3年目の浮気…」ならぬ「3年目のフォローアップ」

「3年目、4年目社員の主体性が低い」というのは、
よく聞く「お悩み」あるあるです。
あんなに期待を込めて採用・研修をしたのに、
3年目になったときに「主体性が・・・」となってしまうのはなぜでしょうか?
主体性がなくなっているとき、同時に下がっているもの。
それはモチベーションです。
そうなのです。
実は主体性が低いのではなく、社員のモチベーションが下がっているのです。
いったいなぜ3年目社員はモチベーションが下がってしまいがちなのでしょうか?
モチベーション低下に至る流れを、一緒にたどっていきましょう。

いつの間にか新人ではなくなっていた・・・

1年目:入社半年あたりまではまだ緊張感があり、不安の方が大きい状態です。
2年目:気がつけば自分が先輩に。
新入社員に比べて、自分はそこまで目をかけられていない・・・と感じるようになります。同期とも配属が別れ、つながりが少しずつ減ってくる時期でもあり、孤独感を募らせてしまうケースも。

3年目:だんだん会社のことがわかってくる時期です。
仕事にも慣れ、「自分ができた感」を持つようになります。しかし、上司からするとまだまだこれから。10年選手からすると、3年目、4年目社員は新入社員と同じようなものです。 しかし、そのギャップが理解できず、自己評価と上長評価のギャップに抵抗感を持つ人も出てきます。

「毎日同じことばかりやっている」
「こんな仕事をするために入社したんじゃないし」

と、会社への不満も出てくるようになり、
「ちょっと転職サイトでも見てみようか」→転職活動へ。

こんなケース、実に多いのではないでしょうか。

石の上にも3年 → 今は3ヶ月。

石の上にも3年 → 今は3ヶ月。

そもそも終身雇用の時代ではない今、
この会社で「10年働こう」と思って入社することがあたりまえの時代ではありません。
「スキルアップして、転職→キャリアや年収アップ!」と思い描いている人が多いのが現実です。
むしろ、そう思っていない人の方が少ないという時代かもしれません。

入社後のOJT、1ヶ月目で「僕は先輩のようになれないと思いました」と言ってやめていく人がいます。
先輩からしたら「そりゃそうだろう」と思うでしょう。
本来「できないこと」が「できるようになっていく」というプロセスが何回もあって人は成長します。
しかし、あきらめが早く、できないことがつらすぎると感じる人が昔より多いように見受けられます。

「自分ができていないのに、他の人できている」「思っていた仕事ではない」
→「向いていないのではないか」
→「他の道があるのではないか」
→「もっと自分を求めているところがあるのではないか?」

ついこんな思考に陥ってしまいがち。
しかも、情報にあふれた今、SNSや広告を通じて、他社やエージェントからの誘惑も多く、その気になれば、いつでも気軽に転職活動が可能です。
若手はどこも貴重ですから、優秀な人であればあるほど、すぐに好条件で転職先が見つかるでしょう。

お風呂に水いっぱい入れているけれど、お風呂の栓閉まってません(汗)

「お風呂に水いっぱい入れているけれど、
お風呂の栓閉まってません(汗)」

しかし、これでは毎年毎年、企業が必死で採用活動を行っても、
お風呂の栓が抜けているのと同じで、いつまでたっても会社に人が育ち、根付いていきません。

ではどうやって離職を防げばよいのでしょうか。

モチベーション低下による離職の場合、
「この会社では自分の先がない・見えない」と思って外に出ていきます。
先が見えなくなる手前の段階で「この先」を見せてあげることが大事です。

そのきっかけの役割を担うのが、フォローアップ(研修)です。

フォローアップの目的 とは

・振り返り
・課題解決
・未来を描く
この3つ。
「初心忘れるべからず」で入社当初の思いに立ち戻るとともに、
「まだまだ自分はできていない」→「まだまだ成長していける」
という気持ちに転換させることが大切です。
まず「あなたは3年目の実力はついていますよ」と伝えた上で、
だから「4年目、5年目で任されること、まだまだいっぱいありますよ」ということをきちんと伝えていくのです。

日々の中で、人はそれぞれ、いろんなことを思います。
会社や上司への不満、人間関係の悩み、自身の能力への不安など。

もちろん、それは思っていいのです。

1年あれば、色々なつまづきがあります。

同期の中でも優秀な人。
「あの人は順風満帆にいっているので、不満もつまづきもないだろう。」
傍から見ていたらそう見えるでしょう。
でも、そのような人は実際は少ないのが現状です。
皆、何かにつまづいている。

それをフォローアップで言葉に出すだけでも、全然違います。
普段上司や先輩に言えないことを出す。
さらにそれを同期や仲間で共有しあえれば、
「自分だけじゃなかったんだ」という安堵感やつながりを持てます。

問題の問題を見つける。問題の細分化をする。

問題の問題を見つける。問題の細分化をする。

何に悩んでいるのか。何が問題なのか。不満、不安なのか。
問題が何かがわかれば、次に何をすればよいかわかります。
うまくいかないことを、問題のまま抱えていると、とてもしんどい。

問題の問題は、内面的な要素であることが多くあります。
例えば、「できないこと」があるとします。
そしてそれを誰にも聞けずに抱えてしまっている場合。
問題はコミュニケーション力なのか、スキル不足なのか。
スキル不足であれば学べば良いのですが実は、
「学ぶのが苦手」という場合や、そもそも「勉強する習慣がついていない」ということもあります。

問題の問題はなんなのか。
言語化することで、掘り下げて細分化し、問題に対して何をすればよいかが見えてきます。

まず「自分がそのような考えや特性を持っているんだ」ということに気づく。
自分を可視化、受けいれると、次に何をすればよいかが見えてきます。
そうするとフォローアップを受ける前、受けた後では、すっきり感が全然違うのです。
短時間でもそういったフォローアップの場を持つことで、
次に何をすればよいのかを掴めて、すっきりする。その「すっきり」により、
モチベーションを維持・アップし、少し前進することができるのです。

もちろん、時間が経てば、また色々なつまづきが出てきますので、
短時間でもできるだけ細かいスパンでこのフォローアップを続けていく。
少なくとも、10年選手になるまで、いや10年選手になった以降も
最低でも1年に1回はフォローアップ研修は必要でしょう。

「わかっているけど、忙しすぎてできないんです」

どこかで今、そんな声が聞こえてきました。

そうなんです。
先輩も忙しい。
みなさんそれぞれ自分のお仕事を持っていますよね。
わかっていても、できない。

また、フォローアップで聞く立場の人が上司だと利害関係もあります。
特にその人が評価者の場合、そこに忖度も生まれてしまいます。

またどんな上司でも、機嫌が良い時、悪い時があるものです。
なかなかフラットな気持ちで話を聞くというのは
相当達観した人ではない限り、むずかしいのが現実です。

フォローアップは、できる限り利害関係がない他者をメンバーにいれてください。

簡単なのは、外注化すること。
ファシリテーションできるスキルをもった外部の人を入れることで、
普段話せない本音や、自分でも思っていなかった内面に気付けるようになります。

ただでさえ、コロナ禍で、外部の人との接触機会が減っています。
飲み会やランチで愚痴や相談を聞いてもらう機会が今、圧倒的に少ない状況です。
話す機会が少ないと、どんどん内にこもっていき、自分とも向き合いにくくなってしまいます。

「探しものはなんですか?」

「やめたい」と思っている人に「なぜ?」と問いかけていくと、
「やめたい理由」を探しにいきます。

しかし、探して欲しいのは「やめたい理由」ではなく、
入社時に「心の中に抱き持っていた想いや決意」

ではないでしょうか?

「あなたはこの会社でどんな自分になりたかったのですか?」
「自身に、会社に、どんな期待を持って入社したの?」そんな問いかけをすることで、
改めて自分に向き合い、「次の未来」が見えてくることがあります。

ある意味、3年目が本当の意味でのキャリアスタート。
ぜひこの時期に大切な振り返り・フォローアップの実施をご検討ください。
フォローアップ研修の具体的なご相談も承りますので、お気軽にご相談ください。