③企業ブランディングの必要性と構築手順
企業がブランディングをしていく必要性について今一度、整理してみます。
真っ先に思い浮かぶのは、市場競争および価格競争の激化。
そして今後、日本国内の人口減少に伴い、拡大していくと想定される人材難。
加えて「物質的ではなく心理的にニーズを満たしたい」という生活者の志向変化。
このような事から、時代背景を考慮して自社にあったブランディングの仕方が必要になってきています。
前回までの二回でブランディングとはどういうもので、どう活かして行くかを特集してきました。
<これまでの記事>
①ブランディングの定義と役割
②企業ブランディングの目的や効果
最後はブランディングを構築していく手順をお伝えします。
まず「自社の在り方(存在意義)」を考える
ノウハウやテクニックに重きを置いてしまうと、大切なブランディング構築も形式的なものになってしまいかねません。
・どんな人の助けになりたいのだろうか
・どんなサービスを提供すれば最高に喜んでもらえるのだろうか
・自社が関わることで、同業他社とは何が違ってくるのだろうか
これらの在り方を確立することは、お客様から選ばれるだけでなく
社員が自分の仕事に誇りを持てるようになるのです!
ブランディングをするには、まず方向性を定めていく必要があります。
そして、在り方の土台をふまえて自社の現状を把握し、フレームワークなどを用いて環境分析を行います。
つぎに、発信や伝達方法を計画→実施していく
自社の特徴、社会的な役割、ビジョン、提供価値、ロゴやデザインなどを、どのような方法で発信・伝達していくか計画します。
会社の名前を知ってもらう知名度よりも、どんな会社であるかという認知度の方が大切です!
メディアなのか紙媒体なのか?広告やPR活動、イベントやキャンペーンなどはどう行うか?などを決めていきます。
また、「お客様に対してどんな行動をしていくのか」という行動指針はインナーブランディングの一つとして忘れてはいけません。
インナーブランディングとは、社員に企業ブランドの価値や目指す姿を理解させる啓蒙活動のことです。
ブランド価値の評価と認知度の検証を行い、マネジメントする
ブランディングは時間をかけて行い続けるものです。
必ず一定の期間をおいて調査を行い、ブランディングのプロジェクト進捗確認を行います。思ったような効果が出ていなければPDCAの見直しも必要になります。
ブランド価値の評価については専門的な知識が必要な領域であることから、多くの企業はどのように進めると良いのか分からず、何となく実施しているケースも多いようです。
以上、ざっくりとではありますが、ブランディングを構築していく手順をお伝えしました。
自社のブランドが顧客に提供できる価値を、誰に・どこで・どのように伝えるかを考え、顧客の気持ちとブランドのイメージを繋げる事こそがブランディングの本質といえます。
広告宣伝や販売促進にお金をかけられない中小企業だからこそ、ブランディングが必要です!
しっかりとした自社のブランドを築き、さらに他社との違いを作り上げるという状況が大切なのです。